そういうところなんだよなぁ……という話

先日、とある家具屋さんからの依頼で室内用暖炉のベースを

作った時の話。

リクエストはキャスター付きでかつスッキリしているデザイン。

小さな子供さんがいるお家なので

キャスターにはストッパーが付いていると良い、とのこと。

そこで、僕はこんな感じの細工をしたベースをデザインしました。

ストッパーの付いているキャスターのところを切り欠き開閉式にして

キャスターを見せることなくストッパーをかけられるようにしました。

これ自体はそんなに珍しい加工ではなくて

海外の動かせるサイドボードやキャビネットなどでは

まぁまぁ見かけるもの。

ちょっとした工夫ですが、気の利いた方法だなと思ったのが

記憶のどこかに残っていたという感じです。

さて、納品当日。

収められたベースを見て、深く深く感心したのです。

「こういうところなんだよなぁ」と。

ストッパーをかけるための切り欠きの部分は

蝶番が付いています。

なので、そのままだとぱかっと開く部分が本体から微妙に浮いてしまう

可能性があるわけです。

収められたベースのその部分にはマグネットキャッチがつけられていて

パカパカしないように一工夫されていたのです。

これを作ってくれた工場の担当の方は

以前実家の飲食店の回想をお願いした時に

掃除に便利だからとトイレ前室の手洗い器の給水立ち上がりのところに

蛇口をつけておいてくれたこともありました。

ほんのちょっとした事ですが

できそうでできない事だなぁと

彼の仕事にはいつも感心させられます。

できた!

というところで満足せずに

もう半歩でもいいからより良い提案にする。

心がけていきたいものです。

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