先日、家族でどーん!と奮発して青森は大鰐温泉の星野リゾート「界・津軽」に
宿泊してきました。
いろいろと感心するところがあり、ちょっとリポートしようかなと。
ここはもともと「南津軽錦水」というホテルだったそう。
当時のことが載っている記事などを見ると
建築的にはほとんどいじってなさそうな感じです。
そしてコストを抑えて上手いことリノベーションをしている印象でした。
特に感じたのが客室の廊下。
天井を津軽名産の「こぎん刺し」をモチーフとした素材で隠しています。
客室入口のブラケットも同様のセードが使われています。
天井を改修するとなると電気工事も絡むし、壁もどうしたっていじらなくちゃいけない。
でもこれだけ長い天井がサラッと元のままというわけにはいかないですよね。
ブラケットは交換しようとすると元のブラケットのベースの跡が残りなかなか厄介。
なので「隠す」のが一番手っ取り早くて安価な手法となるわけですが
ちゃんと上手にやらないと「手抜き」「やっつけ仕事」という印象を持たれてしまいかねない。
そこを「名産品」を、しかも壁に映る光までちゃんとデザインして使っているから
とても素敵で、コストダウンとおもてなしが両立しているなぁと独り言ちたわけです。
この「こぎん刺し」は廊下以外にも、キーホルダーや客室のファイルや装飾にまで
うまいこと使われていて
下手をすると「これを使っとけば間違いない!」みたいに感じられかねないけど
その塩梅がとても良く考えられているからか
「津軽に来てるんだなぁ」と自然と思えてくる雰囲気になってました。
デザインって過不足がないこと、やっぱり「塩梅」がとにかくものすごく大事なんだよなと
そして、工夫とアイデアでコストを抑えて空間を素敵にすることは
いくらでもできるんだよなと再確認。
コストと出来上がりが今のプランで本当にベストバランスなのか?
これを自問することを辞めちゃったらいかんなと
戒められた旅でありました。
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